プロローグ

扉をひらいて

私の好き。

太陽が水平線の霞の中からいずる瞬間

このまま空まで駆け上がりたくなる青い空

セリが群生しているビー玉をこぼしたような小川

踏みしめた芝生の匂い

青色のソーダ水

昼下がり、遠くから聞こえる小学校のチャイム

雨が降りはじめる時のあの土の匂い

家に帰る時間を教えてくれる夕焼け

葡萄色から群青色に変わってゆく一瞬の空

ストーブの上で、やかんがジリジリ発しているあの音

静かな冬の夜

真夜中の北斗七星とオリオン座

 

そして  季節が変わることを告げる優しい風の声

 

いくつの扉を開いてきただろう

そのたびに自分らしい扉を選んできただろうか

次の扉を開けた時、少女の頃の純粋さで胸を熱く出来るだろうか。

 

でも 扉を開こう

心を開こう。

 

扉をあければそこは・・・

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